ぼくたちのウルトラマン・・・その言葉の意味に気づいたとき、僕の心が震えたワケ

出典 http://www.gettyimages.co.jp

カクテルの種類はまさに星の数ほど。お酒やジュースの組み合わせによって、色彩豊かに様々な種類のカクテルを作ることができます。これは、そんなカクテルにまつわるほんとうにあった、ちょっと素敵なおはなし。

ホテルというのは、様々なドラマが生まれる場所である。特に、夜を締めくくるバーカウンターではね。

これは、あるホテルのスカイラウンジで僕がバーテンダーをしていた頃に体験した、最も忘れられないエピソードのひとつ。

ある晩、4名程のお客様がご来店し、カウンターに座るなり、その中のお一人がひとこと

「ねえ、ウルトラマンみたいなカクテル作って!」

なんか、そのお客様があまりにキラッキラッした目で注文されるので、ついこっちも遊び心を刺激させられた。ええ、喜んでお作りしようじゃございませんか。

そこで、カクテルを赤・白・赤の3層にしてみる。 白色の部分は当然、炭酸で「シュワァァッ!」としたヤツ。グリーンのミントチェリー(カラータイマー)をあしらい、グラスのふちにレモンを飾る。

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「3分経ったら赤いチェリーにお取替えいたしますので」

と言ってお客様に出すと大笑い。
ふふふ、してやったり・・・。
だが、この程度で終わっては面白くない。

赤・白・赤に分離したカクテルをマドラーでレロレロ掻き回すと、その混ざっていく過程がちょうどウルトラマンのオープニングタイトルが混ざるときのようになる。

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イメージ的にはこんな感じ。

お客様さらに大喜び。

いや、とどめはまだだ。

全て混ざりきって赤1色になった時に、あらかじめ細工をしといた三日月形のレモン飾りの端をクイッと曲げると、アイスラッガーのかたちになる。

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↑こんな感じにレモンをクシ切りにして、レモンの皮の部分に切れ目を入れておくのだ

赤一色にアイスラッガー・・・。
もうおわかりだろう。

そう、ウルトラセブンになるワケだ(笑)

「うおっ、うおおぉーーーー!!!」という、感嘆まじりの拍手喝采を頂いた。
帰り際、その中の年長者らしきお客様からひとこと。

「とても楽しい時間でした ぼくたちのウルトラマンをこんな素敵なカクテルにしてくれてありがとう」

満面の笑みでそうおっしゃると、深々と頭を下げてエレベーターの中に消えていった。
「ぼくたちのウルトラマンかぁ・・・いくつになっても、あの当時にワクワクしていた思いというのは消えないもんなんだな」
と、感慨深く、そしてそういう時間をご提供できたことをとても光栄に思った。

翌日、副支配人を通じてそのお客様から名刺を頂いた。
名刺を持つ僕の手が震える。

え、ウソだろ・・・・・

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円谷プロダクション
代表取締役社長
円谷
○○

ああ、なんでだろう。こんなにも目頭が熱くなるのは。
名刺の端には、ウルトラマンのシルエットと流星マークがあしらわれている。
これほど夢と歴史の詰まったワクワクする名刺を、僕は後にも先にも見たことがない。

“ぼくたち”のウルトラマン・・・。

たったそれだけなのに、あまりに偉大な言葉だ。
「いくつになっても、あの頃にワクワクしていた思い」なんてものではない。逆だ!逆!あの頃から今もずっと、僕らをワクワクさせ続けてくれる人たちだったんだ!
 
もう、ずいぶんと昔の話しだ。きっと、ご本人はおぼえていらっしゃらないだろうけどね。
今でも僕にとって忘れることのできない、宝物のような思い出です。

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Mother Treeの事務局・運営・企画をしています。
マザーツリーでは、「愛される“心”のつくりかた」をコンセプトに、自分の心と身体に向き合う場として、様々なセミナーやワークショップ、イベントを提供しています。

その他、カラダ調律師、フェイスデザイナーとして個人でも活動中。
カラダ調律、フェイスデザインとは、お客様のカラダに負担をかけずに極僅かな力とタッチで、数値ではなく見た目の『形』そのものを劇的に、また瞬間的に変化させるこれまでの常識を超えたまったく新しいボディデザインメソッド。
オールハンドで肌に軽く触れるだけで、小顔で美しいフェイスラインを創りあげる『フェイスデザイン』や、カラダの可動域をひろげ疲れや痛みをケアします。

現在、年内書籍出版に向け執筆中

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