究極の自分探し旅①
映画『奇跡の2000マイル TRACKS』

監督:ジョン・カラン
撮影監督:マンディ・ウォーカー 
主演:ミア・ワシコウスカ
   アダム・ドライバー
   ラクダたち、犬たち

1975年オーストラリア中央部アリススプリングスに都会からロビンがやってくる。
彼女の相棒は犬のディギティ。
都会生活に嫌気がさした彼女には夢があった。
それは、インド洋までの砂漠2700キロを縦断すること。
その冒険には荷物を運ぶためのラクダが必要だった。
ラクダの調教を習い、ラクダを手に入れるため、
野宿しながら観光用のラクダ牧場で働き始めるロビン。
8か月が経過するが、牧場主にウソをつかれ、
もらえるはずのラクダを手に入れることができない。
失意のまま、牧場を去ったロビンは、アフガニスタン人のラクダ飼育農家で働き、
バブ、ドゥーキー、ゼリーと子供のゴライアスのラクダ4頭を手に入れる。
さらに、手紙を出していたナショナル・ジオグラフィックから金銭面や装備のサポートを得ることができた。
交換条件は、旅の模様を定期的に撮影し記事にすること。
カメラマンとして定期的に彼女の居場所を訪れてくるのは青年リック。
こうして長く過酷な砂漠の冒険が始まった。
ロビンがこの土地にやって来て2年が経過していた。
映画にはロビンの壮絶な冒険が描かれる。
4頭のラクダが朝起きると消えていたり、
発情した野生のラクダ数頭が襲ってきたり・・・。
アボリジニの人たちとの出会いや愛する者との悲しい別れもある。
彼女に何があって冒険を決意したのかは、はっきりとは描かれない。
理由がはっきりしないからこそ、誰ものが彼女の半生に当てはめて考えることができ、主人公に共感できるのかもしれない。
時には人恋しくなり、カメラマンのリックと砂漠で結ばれるロビン。 

しかし、一人を好むロビンにはその時の恋愛感情も煩わしくなっていく。
ロビンの「砂漠は何もなくていい」という言葉に、名作「アラビアのロレンス」を思い出した。「砂漠のどこがいい?」と聞かれたロレンスは「何もないところだ」と答える。
ロレンスもロビン同様に人間嫌いだった。
途中からドキュメンタリーを観ているかの錯覚を起こすほどリアルに描かれている作品。同じく去年観た映画「わたしに会うまでの1600キロ WILD」。
こちらもリース・ウィザースプーン演じる主人公が砂漠を歩いて旅する、実話が基になった作品。
主人公の過去がカットバックする作りも同じ。
リース・ウィザースプーンはアカデミー賞にノミネートされたが、本作のミア・ワシコウスカも同レベルの素晴らしい演技。
ミア・ワシコウスカは全編スッピンでわき毛を伸ばし、下着一枚や全裸で砂漠を歩く。
ミアワシ史上最高の演技を見せてくれている。
ロビン本人ともラクダを連れてキャンプをしたり、専門家に習いラクダの扱い方を身につけた。
ちなみに映画には19頭にラクダが使われている。
事実を忠実に描いた本作。日本列島の長さが、約3500キロだからざっと考えても、ロビンが歩いて旅した距離は沖縄から北海道までくらい。
しかも、危険な野生動物もいて、時には水もない砂漠。
今でもアボリジニの人たちの間では、彼女のことは伝説のように語られているという。
アボリジニの人たちにとっての聖地ウルルへのアクセスも、ロビンに対する敬意から特別に許可が出たんだそう。
この映画の美しくリアルな映像を撮影したのは、バズ・ラーマン監督の「オーストラリア」などの女性撮影監督マンディ・ウォーカー。
彼女は、同じくオーストラリアの自然の中で撮影されたニコラス・ローグ監督の「美しき冒険旅行」や「アラビアのロレンス」を観て参考にしたと言っている。
当時のナショナル・ジオグラフィックに掲載された写真と映画のスチールがひじょうによく似ている。この映画は35ミリのフィルムで撮影してワイドにしている。
そのせいもあると思うが、ワンカットワンカット的な雰囲気で、どこを止めても一枚の素敵な写真になるくらい構図や色合いが素晴らしい。

音楽も映像も役者の演技も素晴らしい傑作です。ぜひ女性に観てほしい。

究極の自分探し映画②は
「わたしに会うまでの1600キロ WILD」(現在公開中)を紹介します。

出典 YouTube

公式サイト
上映情報などはこちらで

出典 http://www.kisekino2000mile.com

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