今回は、以前筆者の店舗のそばにあった店の話しです。

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筆者、バーを12年間新橋の繫華街で営んでいます。会社で入社12年というと、社によっては殆ど同期の人もいて、係長・課長代理くらいなのかしら…。ところが水商売。その12年で周りの店の殆どが入れ替わる世界なのです。つまり会社で言うと、12年やると自分の部署で一番自分が古くなってしまう感覚です。

そんな色々な店が入れ替わった中で、ある意味凄かった店がありました。今日はそんなことを思い出しながら、そこまでやらなくてもいいのではないかという商売のやり方について考えていこうと思います。

初めにお断りしておきますと、筆者は飲食店の経営者です。どうしても飲食店向けのセミナーなどもやっている関係上、飲食店経営目線になります。その辺りのところご了承いただき、是非最後までお付き合いください。

以前の筆者の店の近所に、「30分400円飲み放題」というお店がオープンし、物凄い盛況だった。

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当たり前ですよね?30分に缶ビール2本呑むことは多くの人には簡単であろうし…ということは、簡単に「元が取れる」感を出すことが出来るわけですから。

当然安い程お客様には喜ばれます。お客様は、極力タダに近い値段で沢山の飲食とサービスが受けられることを望むのは当然です。

飲食業者は、出来る限り高く、スタッフに負荷の掛からない方法で多く販売したいと思います。この両者の思いのベクトルの向こうは、本当に30分400円飲み放題なのだろうか…

新橋という場所は、本当に小遣い3万円お父さんみたいな人ばかりなのだろうか…しかもそういう層は顧客として魅力が有るのだろうか?それをやることで飲食業の地位を下げないだろうか?サービス業と呼ばれる業態の地位を下げないだろうか?

そんな同業者のことを考える社会的視野に立つ必要はないのかもしれないが…

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周りなんてどうでもいい、自分の店が属する業界全体などどうでもいい、地域などどうでもいい…自分さえ目立ってしまえば良いのだから…。商売は弱肉強食!私利私欲の強いことだって、結構大事な要素かも知れないとも言えるかもしれませんが…。

ただ、商売として利益は出るのだろうか?ビールや焼酎が外でそんな値段で販売されることは、近隣の立ち飲み屋さんなどの安い層のお客様を獲得している店にも影響が出ていたようだし、そういうサービスをする店が出来ると、「なんで、オタクは400円じゃないの?」というレベルの低いクレームが他の店で発生してしまう…。

残念なのは、その店は料理などの評判も良く、スタッフも元気がよく優秀に見えたし、安売りに依存しなくても充分に勝てる店であったのに、何故価格破壊に加担したのか、未だ筆者の謎であります。急いでキャッシュが欲しい経営事情でもあったのか?経営者同士で話したことは無いので今は知る由もありません。

改めて【30分400円…】ですよ!

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30分400円…。イマドキ、小学生だって駄菓子屋で何の躊躇も無く120円のジュース飲んでゲームやって駄菓子食べて…。そのくらい使うかもしれないですよ。

いい大人が、そういう価格じゃないと呑まないのなら、もう飲食業なんて駄目じゃないでしょうか?

ハッキリ言って、一番安いのは自炊です。その次の「中食」すること、そして一番高いのは「外食」です。

外食が高いのにはわけがあります。座っているだけで品物が運ばれ下げられ洗ってくれます。自分のつまらない話を場合によっては少しは聞いてくれます。買い物に行かなくとも、予め買って冷やしておいてくれています。皮を剥いたり洗ったり、茹でたり焼いたり炒めたり揚げたり…全てしてくれます。しかもプロの技術者がやってくれます。清掃済みのテーブルと椅子も用意してあります。若くて元気な店員さんに癒されたりもします。隣のお客様とお友達になって、人脈という名の財産が出来ることだってあります…。

まだまだありますよ!それら全部を含めて外食における【付加価値】ということが出来ると思うのです。その価値が30分400円で呑み放題なのでしょうか?

ならば筆者が30分300円呑み放題の店を現店舗でやれば集客は出来ると思います。しかしそんな消耗戦を続けることに何の意味や価値があるのでしょうか?

ひっそりと無くなった価格崩壊を仕掛けた「牛丼太郎」、これまた無くなった筆者の好きだった「神戸らんぷ亭」等の牛丼の価格破壊と競争を彷彿とさせます。

【付加価値】で、小売りより圧倒的に高く売れる!

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我々は付加価値をお客様に納得して頂いて、初めて小売より圧倒的に高い値段の飲食物を販売するので、原価無視の消耗戦的な価格破壊なことをされるのが、筆者自身は好きではありません。

これから起業する方は、安いなら人が来るという感覚はもたないで欲しいと思っています。良い店は高くても、その価値が認められれば安いと感じさせられるんです。そういう技術をしっかり売りにしていきたいものです。

繰り返しになりますが、安売りで集客することは筆者は反対です。その店の真の価値を認めて頂ければ、価格の事等気にしない経営が出来る筈です。安売りは商品やサービスへの自信の無さの表れであると考えます。
最後までお読み頂き有り難う御座います。

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東京都大田区大森生まれ。立正大学附属立正高等学校、尚美学園短期大学音楽ビジネス学科、放送大学教養学部生活福祉専攻卒業。STAY UP LATEオーナー。 ライター業と、セミナー講師、司会業も実質少々。江戸川区在住、一児の父。愛猫家。

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