みなさんは「予備自衛官制度」をご存じでしょうか。まず予備自衛官補になるための条件を見ると、春と秋に試験があり合格すると予備自衛官補となり、所定の訓練を受けると予備自衛官になリます。一般コースの場合、身体検査、適性検査、筆記、面接が行われ、筆記試験は、国語、数学、理科、社会、英語、作文(レベルは高校受験程度)が実施されます。

では、なぜ予備自衛官に応募するかですが、愛国心や、自己啓発という動機の人もいるでしょうが、副業感覚で参加しれば手当がもらえることも魅力の一つです。訓練中は日当7,900円が支給され、通常は予備自衛官になるまでに50日の訓練があり、それが終了すれば、予備自衛官となります。その他に年5日間の訓練があり、日当は8,100円です。更に、予備自衛官手当として毎月、4,000円が支給される仕組みになっていて(年に5日の訓練必須)、有事の際の出頭が義務付けられ、5日間の訓練内容としては、体育訓練、武器訓練(基本射撃、射撃検定、武器整備)、精神教育が主なものとなります。
普段は社会人や学生としてそれぞれの職業に従事しながら予備自衛官になれば9万円/年が貰えるということです。


政府は、予備自衛官制度を充実させるため、予備自衛官を雇用した建設会社を自衛隊関連の公共事業入札で厚遇するという措置を初めましたし、予備自衛官雇用による法人税減税も今年度予算に盛り込まれましたので、良く考えれば天下りの制度化と言うべきかも知れません。ま=国難に立ち向かう若者を養成するのは大変結構な話しなのですが、3,11の東日本大震災の国難では、予備自衛官制度はほとんど機能せず、予備自衛官に対し、招集命令を発令した際に、出頭可能と回答した予備自衛官は4497人でした。しかも、実際に出頭したのは、103人(全体0.4%)ですから、年間80億円の予算に見合った効果がはたしてこれで出たのかは疑問が残ります。出ていないことがあります。聞く所によると、予備自衛官の定員の7割にも満たず、年々減少傾向にあるとか。こういう実態から、財務省が制度見直しを防衛省に勧告し、対処しなければ年間80億円の予算は減らされても仕方のないことです。


戦争になったら予備自衛官の何人が手を上げるのでしょうか


国内の震災有事でさえも0,4%程度の出頭率ですから、戦争にでもな時には、この数字が増えるとは思えません。これは、精鋭集団にして数を減らすか、廃止にるか意見の別れるところです。仮に、廃止すべきと考える理由として、予備自衛官が招集に応じないのは、職場がそうした行為を是認しないとか、前向き出なかったとか、まだ社会的に制度事態が広く認知されてないことが上げられます。有事の際の予備自衛官の出頭よりも、職場で仕事の義務を果たすことを企業が望んでいる以上、予備自衛官制度には無理があるのです。更に重要なことは、戦力としての問題なのですが、年間5日の訓練で、たとえ後方支援任務であったとしても、「実戦」に出せるレベルかということです。れは後々の補償を考えても割に合わない話です。ハッキリ言って予備自衛官を招集しなければならないということは、もう招集する時点で日本は追い詰められている状態なわけですから、手遅れだということです。太平洋戦争の時の学徒出陣で学習済だったはずです。3,11の震災で福島原発がメルトダウンをし、数万単の国民が海に流された時にも、有事の際は出頭するという予備自衛官の「宣誓」は、その有効性に疑問符がつくくところです。


自衛官を経験した人で構成する「即応予備自衛官制度」は残すのは得策という意見もありますが、確かに即応予備自衛官は、予備自衛官とは違い、より即応性が高い実戦向けの自衛官ではありますが、これも23.7%程度しか実際には出頭しなかったというデーターもあるので、有効性には大いに疑問が残るところです。このように予備自衛官制度は、現代戦では有効性が低く、社会的にまだ認知されていないわけですから、80億円を有効に使う方法を真剣に考えなければいけません。この予算を全部廃止するとは言いませんが、例えば、米国の大学の制度を参考にしてみてはいかがだろうか。予備自衛官制度に志願者する大学生に対して将校教育を行い、学費と生活費を支給するのです。その代わり一定期間の任務を義務付け、彼らを単なる自衛官ではなく、将校として有効活用するのです。学費や奨学金、あるいはブラックバイトに苦しむ学生を救うことにもなります。それに自衛隊幹部人材の多様性を確保することにも繋がりますのでどうだろうか。


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大学時代は空手部・卒業後はサラリーマン。損害保険会社を早期退職した後は好きな物書きをしている。真実を知らない者は情報弱者であり自分の身は自分で守る時代。情報武装と論理的思考で最新情報の見方を私なりに提供し事実の背景にある真実を炙り出したいと思う。

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