出典 https://ryorisapuri.jp

真夏の銘菓といえば「水ようかん」。見るからにひんやりした涼し気な佇まいは、暑さをいっとき忘れさせてくれる風情があります。ところでこの「水ようかん」、普通の「羊かん」とどう違うのでしょうか?

江戸生まれの練り羊かん

そもそも羊かんとは、小豆の餡を型に流し込み、寒天で固めた和菓子のこと。今の形の「羊かん」が誕生したのは、江戸時代中期だといわれています。寛政・享和の頃(1800年前後)に、寒天を使った「練り羊かん」、いわゆる一般的な羊かんの製法が完成したそうです。驚くべきことに現代に至るまで、小豆・砂糖・寒天というシンプルな材料はもちろん、製法も当時とほとんど変わっていないのだとか。

夏の風物詩「水ようかん」は冬の菓子だった

水ようかんの魅力はなんといっても、ふるふる柔らかい食感。そう、普通の羊かんと水ようかんの違いは、名前の通り「水」の配合が多いことです。つまり寒天の添加量が多いのが普通の羊かん、寒天が少なく柔らかい口当たりに仕上げたのが水ようかんというわけ。
つるりと喉を通るひんやりした味わいはいかにも夏にふさわしいように思われますが、実は「水ようかん」は冬生まれ。なんと当初はおせち料理に入れるデザートとして、お正月の時期にのみ作られていたそうです。現在でも京都、福井、石川、山形などの一部の地域では「水ようかんは冬の菓子」として食べられているそうです。

「ういろう」は蒸し羊かんの仲間

では羊かんとよく似た見た目の「ういろう」はどうでしょう?
簡単に言えば、ういろうは「蒸しようかん」から派生したもの。練り羊かんが生まれたのは江戸中期と先に述べましたが、実はそれより遡ること約300年、室町時代にも「羊かん」はありました。ただし、当時の羊かんは「蒸し菓子」。小豆と砂糖をあわせたものを蒸すことで保形性を保っていました。
ところが、江戸時代になると寒天が登場します。寒天を使うと、蒸さなくとも羊かんはゼリー状に固まり、日持ちもよくなります。また、舌の上でほどよく溶ける食感が好まれたこともあって、いつの間にか羊かんといえば「蒸し」ではなく「練り」が主流派になったのです。
米粉などに砂糖と水を練り合わせ、型に注いで蒸して作る「ういろう」は、羊かんの本流から派生した孫のようなもの。米粉以外にも、小麦粉やわらび粉などが用いられることもありますが、栗や小豆、抹茶を加えたりするなど、バリエーションが広いのも「ういろう」ならではの魅力。もっちりした独特の食感と、羊かんより控えめなほんのりした甘さを好む人も多いでしょう。
小豆の甘みがしっかり感じられる羊かん、なめらかな喉越しの水ようかん、そしてもっちり食感のういろう。さて、あなたのお好みは?

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