ある地方の住宅地、そこにある建物の裏手の人の通れない暗くて細い路地から、
ある日、悲しいネコの鳴き声が聞こえるようになりました。

その鳴き声は、数日経っても聞こえ続けるため、
近くに住む住民が見に行ったところ、細いすき間の奥のほうに、
横たわるネコとその横でピッタリと沿うようにして子ネコが1匹いました。
その子ネコは、横たわったネコの死を受け入れることができない様子で、
そのネコを起こすかのようにつついたり舐めたりしながら、泣いていました。

実はその子ネコ、1カ月ほど前にふらりと現れ
他のネコ達にいじめられていた子ネコだったのですが、
そんな中この子ネコを守ってくれたのが、この死んだネコだったのです。

そのネコも、昔自分の生みネコをオートバイ事故で失っていました。
ちょうどそんな時に現れた子ネコは、そのネコの目には
自分の子供にみえたのかもしれません。

その2匹のネコは、まるで親子のように、
ご飯を食べる時も寝る時もいつも一緒だったそうです。
自分を守ってくれたその死んだネコを、今度は自分が守るかのように、
他のネコが近づいてくると、それを追い払いながら
そのネコのそばでずーっと守り続けていました。

そのネコが、突如どうして死んでしまったのか・・・。
動物病院で検査した結果、肝臓と肺に腫瘍があり、
特に心臓がかなり弱っていて、おそらく死亡原因は心不全ではないかとのこと。
生きてる時から、かなり苦しがっていたのではないかということでした。

動物病院に包まれて死んでいるネコの前に子ネコをつれてきて、
しばしのあいだ、別れの時間を与えてあげることにしました。

子ネコは、やっとそのネコが死んだことを悟ったのか、
鳴くことなく、静かにそのネコを見つめていました。

その子ネコの目には、涙が浮かんでいました。

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