先日、書店をのぞくと神戸連続児童殺傷事件の犯人「酒鬼薔薇聖斗」の書いた「絶歌」が売られていました。
私は、絶対にこの本を買いませんし、読みませんが、何故こんな本が出版されるのでしょう?
何の罪も無い、幼い子供が殺された経緯を商売にするなんて…
殺人を犯しても、時が経てば自らの犯罪を誇示して、遺族を苦しめても良いのでしょうか?
この本の予想発行部数は30万冊、犯人に入るであろう印税は5000万円。
違法な殺人経験が、情報として換金出来る日本…
本当にこれで良いのでしょうか?
遺族の方達は、出版の差止めを要求していました。
大切な子供を失った、父親や母親の心情は汲み取ってもらえないのでしょうか?

離婚して子供達とは別々に暮らす、父親失格の私にも子供達との大切な思い出が有ります。

離婚して始めてのクリスマスは、子供達と過ごす事は出来ませんでした。
元奥さんの実家で、クリスマスパーティーが催されるからです。
子供達も楽しみにしている様なので、私は仕事に打ち込む事に決めました。
あれは22時くらいでした、配送の手伝いを終えて街のイルミネーションの中を、1人トボトボと歩いていると、街中の喧騒から取り残された孤独感が、寒さと共にヒシヒシと伝わって来ました。

その時、ポケットの中で携帯が揺れ始めたのです。
嫌な予感…
この時間帯の連絡は、仕事での大きなクレームと相場が決まっていたのです。
ため息とともに携帯を耳に押し当てると、そこから聞こえて来たのは、何と、元気な下の息子の声でした。

私は急に笑顔になり「どうした?」と聞くと、下の息子は、恥ずかしそうに「クリスマスプレゼント」と言うのです。
私は意味が分からず「は?」と応えていると、「ちょっと待ってや」と、電話をどこかに立て掛ける気配がして、急にアルトリコーダーの音色が、たどたどしく流れ始めたのです。

それで、私は全てを悟りました。
下の息子は、クリスマスパーティーが終わったあと、たった1人でクリスマスを過ごす父親を気使って、覚えたての笛を私に披露してくれたのです。
しかも、母親に内緒で笛を持ち出し、この寒い中、近くの公園に入り、かじかむ指で私のために必死で笛を吹いているのです。

私は生まれて初めて、街中で携帯を握りしめたまま泣き崩れました。
こらえても、こらえても、涙と嗚咽は止まりませんでした。
この時、私の中に有った既存の価値観感は瓦解したのです。

それまでは、お金の多寡が幸せの物差しだったのです。
稼ぐお金の額が男の価値であり、家族の幸せなのだと…
しかし、決して少なくない年収を稼いでいた私は、幸せとは全く無縁な場所に立っていたのです。

そんな私に、息子はお金では絶対に手に入れる事の出来ない無償の愛を、稚拙な笛の音とともに、惜しみなく与えてくれました。
最高のクリスマスプレゼントです。

被害者のご家族にも、もっとたくさんの思い出が有ったはずです。
そんな大切な家族の思い出を、金銭を得るためだけに踏みにじった犯人を、決して許すことは出来ません。

こんな本が、この世から消えて無くなる事を心から願っています。

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