どんなものでも展示物にしてしまう博物館。食べ物もまた然り。なんといっても、食べ物は、その土地その国の文化や歴史を伝えてくれるものですから!今回は世界にある、食べ物がテーマの博物館をご紹介致しましょう。

1.由緒、格式 ある調味料。

黄色に染まりそう・・・

まず初めに、「コールマンズ・マスタードショップ&ミュージアム」。イギリスはノーリッチにある、人気の観光名所です。コールマンズは世界で最も古い食品ブランドのひとつ。その創業150周年を記念して、1973年にオープンしました。こちらのマスタードは、なんと英国王室御用達!そもそもマスタードが有名になったのは、著名な探検家であるロバート・スコット氏のおかげでといえましょう。彼は南極へ行く際、大量に持参していったのだとか。ちなみにコールマンズ社は、イギリスで最初に産業看護師(企業の従業員のみを対象として医療行為の補助を行う看護師)を採用した会社。マスタードのみならず、福利厚生の面でもパイオニアなのです。
ショップ&ミュージアムの建物は、ヴィクトリア朝時代のものを忠実に再現しているそう。外観もなかなか趣があることでしょう。ショップにはマスタードを使ったオリジナル商品もあり、マスタードに対するイメージが変わるかも?更にマスタード専用の壺やスプーンなどもあって、”知られざるマスタード文化”に存分に浸ることができます。ミュージアムでお目にかかれるマスタードの歴史に関するアイテムの中には、骨董の好きな方垂涎の、アール・デコ調のマスタード壺も。コールマンズ社の、マスタードに対する誇りが感じられる、このショップ&ミュージアム。あなたも黄色の世界にはまってみては? 

2.発祥地ならでは。

出典 http://natgeo.nikkeibp.co.jp

いくらでもいけます・・・

続いては、ベルギーはブルージュにある世界でひとつの「フリッツ博物館」。フリッツとは、いわゆるフライドポテトです。発祥地のベルギーでは、フリッツといわれ親しまれています。この国の人々のフリッツに対するこだわりが詰まった館内は、ジャガイモの展示も豊富。調理体験も可能だそう。そのこだわりですが・・・ジャガイモの種類から、切り方、揚げ油の原料、精製の度合い、揚げる際の温度と揚げ方、フライを作る時の調理器具。更に、フリッツにかけるソースまで。展示を見ていて、ここまでやるのですかと驚くほど。さすが元祖の国!これほどまで愛しているなら、ベルギーの人がミュージアムを作りたくなるわけです。 フリッツに対するこだわりに感心したら。やっぱり食べてみたいものですよね。では、地下に降りてみましょう。そこにはフリッツ屋さんが。ミュージアムのチケットを買う時にフリッツの割引券をもらえるそうです。
 フライドポテトといえば、日本人にはステーキやハンバーグ等の”添え物”というイメージが強いと思うのですが。ベルギーの人たちには主役級に好まれているのだなあと、フリッツミュージアムを訪れたらその存在を見直してしまうかもしれませんね。

3.地理の勉強にもなる?

出典 http://gateroof.exblog.jp

土地と密着しているのですね。

次は、「オランダチーズ博物館」。アルクマールにある、正にオランダらしいミュージアムです。ゴーダ、エダム、カッテージ、アムステルダム等、よく見かけるチーズの種類。実はこれらの名前は、オランダの都市の名前に由来しているのです。このミュージアムがあるのは、アルクマール・チーズ計量所の2階と3階。チーズ専門の計量所があるところは、さすがオランダ。ここではチーズ作りとその歴史、オランダ文化におけるチーズ作りの位置づけを、づぶさに見ることができます。チーズ作りに必要な道具(昔ながらのものと現在のものと)が展示されており、酪農家でのチーズ作りと工場での生産との違いについても説明してあります。こちらのミュージアムには子どもたちの遊び場があるので、親子連れには嬉しい限り。事前予約にてガイド付きツアーを実施もしているので、ガイドさんからひょっとしてとっておきのチーズ話しがきけるかもしれません。
 更に、4月と9月にオランダを訪れれば、毎週金曜日にオランダ最大規模のチーズ市を体験することができます。せっかくですから、ミュージアムと合わせて訪れる計画を立ててはいかがでしょう。日本ではうかがい知ることのできないチーズの世界が待っていますよ。

4.お待ちかねの・・・!

出典 http://ameblo.jp

スイーツの王道、王様?

さて続いて、甘党の方、待ってました!?イギリスはヨークにある、「チョコレート博物館」です。この魅惑的な入り口を入ると、ヨークの街でチョコレート産業がいかに発展したかについて、学ぶことができます。もちろん、チョコレートについての様々な秘密も知ることができ、チョコ雑学博士になれるかも?というのも、ヨークは正にチョコレートとともに歩んできた街なのです。

「他のイギリスの街が鉄鋼、炭鉱、羊毛で発展している間、ヨークはその名をチョコレートで有名にしました。これは、ロウンツリー家、テリー家、クラヴァン家の3つのチョコレート企業家たちのおかげです。」

出典 http://edition.cnn.com

 そう語るのは、ミュージアムのマネージャー、ニッキ・ジャコブさん。ヨークのこの甘い歴史は300年にも渡っているのです。う~ん、ヨークはイギリスではちょっと異色な街といったところでしょうか。館内にはチョコレート工場を模した設備があり、熟練のショコラテイエ(チョコレート職人)たちによるチョコレート作りの様子を見学することが可能です。見て堪能した後は、お土産用のチョコレートを買うのをお忘れなきよう。あっ。忘れるわけないですよね!

5.辛党だって負けてません!

出典 http://www.hanabitour.com

国の誇りです!

甘いミュージアムに続いては、辛さの殿堂(?!)、「キムチ博物館」。もちろん、場所は韓国ソウルです。ここは、韓国国内唯一の食品博物館。韓国民の、キムチに対する愛と誇りが詰まっています。来館者は年間で10万人近く。やっぱり辛党にはこたえられない存在です。
キムチの歴史、様々なキムチの紹介、資料・セミナー室の、大きく3つのセクションに分かれた館内。歴史セクションでは、唐辛子ではなく塩で漬けていた、古代の珍しいキムチを見ることがことができます。キムチを紹介するセクションでは、材料別、季節別、地域別のキムチを模型で展示。その数、約80種類。白菜以外の野菜を使ったもの、魚介類を使ったもの等、日本ではあまりお目にかかれないキムチに出会えます。実際にキムチをどのように漬けているのかがわかるジオラマも展示されていて、キムチにより親しみを感じられるようになるかも。資料・セミナーのセクションには、キムチに関する書籍や資料が豊富。キムチのレシピ本はもちろん、キムチが登場するマンガもあるという充実ぶり。キムチ関連の論文も閲覧することができるので、キムチに関する目からうろこな知識が得られることでしょう。
キムチについて色々と学んだ後には・・・もちろん味わってみましょう!試食コーナーもちゃんとありますよ。キムチの発酵に欠かせない乳酸菌を、電子顕微鏡を通してモニターに映しているコーナーもあって、ちょっとした科学の勉強にも。韓国がいかにキムチを誇りにし、文化として大切にしているか。ミュージアムを観終わる頃にはすっかり感心していることでしょう。

6.初耳のソールフードをどうぞ。

出典 http://www.ab-road.net

こちらでは、人気なのです。

お次は、ドイツはベルリンにある、「カレーソーセージ博物館」です。カレーソーセージ?日本人にはなじみがないと思いますが。焼いたソーセージの上にケチャップとカレー粉をまぶしたシンプルな料理。街のあちこちのインビス(軽食スタンド)で売られています。この博物館は、カレーソーセージを通してドイツの食文化を知ってもらおうと建てられた、ベルリン名物なのです。それにしても、本当にドイツの人々はソーセージが好きなんですね!
漂う香ばしい香りに酔いながら回る館内。カレーソーセージの食材や香料の紹介、歴史や秘伝のレシピ、ファーストフードと環境対策に関する展示を見学できます。更に、映画やテレビのシーンに登場したカレーソーセージの活躍までも紹介されていて、なかなかマニアック。インビスのオーナーを体験できるコーナーもある、楽しさいっぱいのミュージアム。実際にソーセージを試食できるコーナーも、もちろんありますよ。
シンプルなだけに、急いでいる時や小腹がすいた時にとても便利。しかもおいしさはお墨付きというカレーソーセージ。一般市民も政治家や俳優、スポーツ選手も、皆大好きなベルリンのソウルフード。ホットドッグにしてもよさそうですね。館内に設けられた、ケチャップ形の可愛らしい受話器に耳を当てれば、カレーソーセージの歌が聴けるとのこと。ベルリンっ子のカレーソーセージに対する愛情が伝わってきます。

7.こちらもどうぞ!

出典 http://japanese.cri.cn

これがむしろお目当てです。

本当に、食が主役のミュージアムは世界中に色々とありますね!上記は、カナダの「ジャガイモ博物館」。かのプリンスエドワード島にあります。プリンスエドワード島といえば・・・何といっても『赤毛のアン』の主人公、アンが暮らした場所として有名な島ですが。お土産のジャガイモ目当ての観光客も多いのだとか。館内には、世界最大の農業機械とジャガイモの彫刻が展示されています。ジャガイモの新たな食べ方も発見できそう。
アメリカ、ニューオーリンズにあるのは、「米南部食品・飲料博物館」。アメリカ南部の料理や文化を広めようと作られました。なんと館内は食べ歩き自由なのです!これも、”サザン・ホスピタリテイ”(南部ならではの温かいもてなし)?
ギリシャはレスボス島にあるのが、「オリーブオイル博物館」。ギリシャのオリーブオイル産業が、機械の導入によっていかに変化したかを教えてくれるミュージアム。オリーブの実が機械によってすり潰され、オイルが水と分離される行程を見学できます。必見は、オリーブオイルの質をチェックするテスト。オリーブオイル専門家に、即なれることでしょう。

日本にもありますよね、食がテーマのミュージアム。京都の「うどん博物館」に、横浜の「ラーメン博物館」。いずれも、うどんやラーメンを通して、日本の食文化を理解しようという目的で作られたもの。そう、食は文化。その土地、その国のことが知りたければ、食から入るのが早いかもしれませんね。満腹で訪れても、きっとお腹がすいてきてしまうこと間違いなしの、フードミュージアム。皆さんも海外旅行の計画に、このおいしい見どころを盛り込んではいかがでしょうか。

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Maggie Cheung このユーザーの他の記事を見る

香港、台湾、中国そしてタイが大好きで、アジアをこよなく愛する心の旅人。英語は仕事で、中国語は趣味。スピリチュアルや占いにもちょっとうるさいライター。自身のレーダーがとらえた情報を、考察をまじえつつ発信していきます。

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