毎日、何気なく言っている「いただきます。」「ごちそうさま。」その言葉の本当の意味を意識することさえ少ないと思います。
 子どもが言葉を覚える段階でも特別意味を教える事もなく、ただ「ご飯の前は『いただきます』でしょ?」「お腹いっぱいになったらなんて言うんだっけ?」そんな家庭が増えているように思います。しかし「いただきます。」「ごちそうさま。」には素晴らしい日本の心が込められているのです。

「いただきます。」

 私たちが生きるためには何かを食べなければなりません。その何かとは他の動物であったり食物であったりします。命があるのは私たち人間も他の動植物も同じですよね。
「あなたの命を頂いて、私の命に代えさせていただきます。」これが本来の「いただきます。」の意味です。
 そして命には寿命と言うタイムリミットがあります。命を時間と捉えるのであれば、誰かが料理を作って下さる。料理の材料を作って下さる。そう、目の前に料理が並ぶまでにたくさんの人の時間という名の命が使われているのです。その人たちの時間と言う名の命も食材の命と一緒に頂いて、私たちの命に代えさせて頂いているのです。

「ごちそうさま。」

 漢字で書くと「御馳走様」「馳」「走」どちらも「走る」という意味を持つ漢字です。
料理を作る人は材料を買いに走ります。材料を売っているお店の人は仕入れに走ります。材料を作る為に走る人もいます。こうしてたくさんの人々が走り回って料理が出来るのです。ですから「走る」という意味を持つ漢字をふたつ並べて、それに敬意を示す「御」と「様」までつけて「御馳走様。」心から感謝の気持ちを持って、ここまでていねいなことばになっています。

三つ子の魂百までも

 昔から「三つ子の魂百までも」といわれていますが、3歳までに刷り込まれたことは成人後にも大きな影響を与えます。
 言葉を覚え始めた子どもに、最初に命の尊さを教える言葉。それが「いただきます。」
言葉を覚え始めた子どもに、最初に感謝の気持ちを教える言葉。それが「ごちそうさま。」
 心を育む食育の原点。大切に伝え続けたい日本語ですね。

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NPO法人予防医療推進協会 理事長
健康管理士事務所 優縁 代表
健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラー、調理師。
「より健やかな体、そしてより幸せを感じる心を育む」をテーマに妊娠中から高齢者に向けて講演活動で何を食べるかだけでなく、どんな環境で食べるか、どう感じるかを発信。
現在、レギュラーだけで週7本の連載を持つほか、命をテーマにした絵本「み~んないのち」(出版・21世紀の森づくり)の著者でもある。また食・運動・メンタルのトータルケア【SAYURI METHOD】でのパーソナルケアも実施中。

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