アルコール依存症については、あまり世間で知られていないのもありますし、一般的に、問題に直面してしまった際に「ウチの関係者がまさか!」と言う態度しか取れないので、結果として後手後手に回ってしまい、家庭がそして社会が混乱してしまうのだと思います。そこで、ちょっとした実例を挙げて、アルコール依存症に関する問題が抱える奥深さをご紹介したいと思います。

以前、インターネット上の、ちょっとした掲示板で、「離婚をしたいので経験者にお話を伺いたい」と言うトピックが立てられていました。「夫が仕事をすぐに休むし、更に言えば、酒癖が悪い。1歳8か月の息子がいるので離婚に踏み出せないのだが、夫との喧嘩を目の前で見せてしまっていて悪影響を与えているとも思う。離婚してさみしい思いをさせないかどうか不安。」と言う、まあ、どこにでもあるような相談内容でした。

私、「酒癖悪い」と言うキーワードを見つけたら、大抵は、「アルコール依存症」と断定するんですよね。

なので、こういうお話をしてみました。

「酒癖の悪さがあるのであれば、精神科への治療をお勧めします。お酒に溺れて、仕事も手がつかないのでは。こういう類は、溺れてる本人が実は一番きついし辛いものです。何もかも、自分が被害者だと思わない事。そして、喧嘩はやめては?喧嘩して別れる姿を子供に見せたくないのなら、当然の行動です。先ずは、精神科に行くことをお勧めします。二人とも受診。では。」

ビックリしたでしょうね。他の「第三者」は、「かわいそう」「離婚しなさい」と異口同音。日本式の同調圧力!orz 。。。私一人、「それは違います!」と、堂々と主張しました。これでも、かなり気を使ったんですけどね。

相手の女性は、「吃驚です。夫は精神科は以前通っていました。ただ、その時はお酒のことではなくでしたが。飲み過ぎないようにと注意したりしてますがだめです。1日の分量を決めても結局は守れません。精神科に通ってた時は大量の薬でおかしくなり何度も暴れました。」と、正直に、私に応えてくれました。こういう「前提」を見過ごしては、解決策は得られません。あらゆる「相談ごと」と言うのはそういうものです。ビッグデータの中から真実を知る謙虚で忠実な作業が必要。

ここら辺で、大体の真相と、離婚大国の日本社会に潜む闇が見えました。

実は、こういうケースも、私、結構見ています。鬱病から始まって、向精神薬(同時に睡眠薬)、禁断症状で震戦・譫妄・幻覚等、統合失調症に対する処方を受け重症化、そして、向精神薬とアルコールのチャンポンで、アルコール依存症を早め、酒癖を悪くして、更に重症化、等と言うケースも、よくあります。

「貴女が、夫も子供も大事にしたいと切に思うのであれば、先ずは貴女がしっかりなさい。この人で良いと思ったから結婚をし子供を授かったのだろうから、その直感と思い出は大事に。酒ごときに負けてはなりません。夫は、精神科医にすら見捨てられて、適当にあしらわれて、それにより社会に憤りを感じてしまい飲んでしまっている可能性だってあるのだから。共依存の可能性もあるし、二人とも疲れているだろうから、二人で受診、もし出来なければ、貴方がまずは受診。3か月くらい休みなさい。離婚を勧める人の意見は取り敢えず無視しなさい。そうしないと、一番不幸な結果に貴女は最愛の子供を導く事になるのですよ?」と、論調は荒げながらも、優しく諭しています。

ここで、助け舟が現れました。まあ、かなり激しい論調で大激論に発展したので(「折角アドバイスしているのに、脳みそで解釈できず無視してしまう様な傲慢で愚かで馬鹿垂れなオンナが、ガキンチョなぞ作るんじゃねえ!社会の大迷惑だ!!」 と言う事も<最終的には>言ってしまっていますけどね ^^;)、掲示板を見て「やめた」と言う人とかも現れたんですよね。離婚相談をしているのに変な回答をしている人がいる!みたいな感じで。第三者の話(当事者ではない人間がしゃしゃり出る場面ではない!)と言うのは、本当に大迷惑。助け舟は、(あとで聞くと)東京大学卒業の父親を持ち、若くして父親を亡くしてしまった、非常に聡明で思いやりのある女性で、矢張り旦那もアルコール依存症(アダルトチルドレン/AC と言います。家庭でアルコール問題を抱えた子供が大人になって選ぶ相手は、矢張り問題ある人が多いんです。)で悩んだのだそうです。「共依存とは」と言う話を、当事者らしく語ってくれました。私は、依存症ではあったものの、共依存ではないのですよね。そういう視点で語ってくれる助け舟は、矢張り必要だったと思います。

女性同士でしか、推し量る事の出来ない、共有/共感し得ない、「辛さ」と言うモノも、世の中にはあるものなのです。

そして、最終的には、この相談者、解決に向かったようです。

一組の離婚危機にあったカップルを「救った」と、信じています。 

表面上の離婚相談では解らない
「真実」
は、世の中にたくさんあるのです。

日本では、本当にアルコール依存症に関する「教育」と「情報共有」がされていないなと思います。また、アルハラも驚くほどに多い。私も、若い頃に断酒を誓った際は、「まあ、いいから」「今日くらいは」「俺の注ぐ酒がのめねえのか?」と言う強引なススめ方も何度もされました。一人でウーロン茶をピッチャで頼むのって結構(相当)勇気が要りますよ?野村證券内定時(1996年10月1日:私は理系採用枠ーー当時の人事部長は、後の社長の古賀信行氏)の内定式で、ビールを断るのは本当に大変でしたorz。少なくとも、酒の席の幹事をやる人達は、参加者全ての「配慮」が出来るよう、心理学等学ぶべきではないでしょうか。ムスリムと日本人が中々理解しあえないのも、こういう処も影響していると思いますけどね。私は、最終的には、「アルコールに関してモラルがない人間とは、相手が例えどんなに業績を上げていようとも、どんなにかっこよく見えても、ビジネスを一緒にする事が出来ない」と言う、<達観>を得るに至りました。フィリピン国(セブ)でも、英国人やオーストラリア人で、私がウーロン茶を飲んでいたのに、バーボンを入れてくるような、相当失礼な人もいましたけれどもね。紳士の国出身であろうがなかろうが関係ありません。モラルのない人間はどこにでもいます。

モラルの有無は、直接、<人間性>(Human Nature)にもつながります。人間性の亡き者とは、ビジネスはすべきでは有りません。独立してやるのも大変なんですけどね。徐々に社会(日本国)が変わっていく事を願っています。

Human Nature Does Not Change.

この分野(アルコール問題)は、専門の医師も少ないですし、レベルも正直言えば、低いです。ウィキペディアで「すら」読みこなせてないですよね?? 社会全体が「教育」「啓蒙」される事を願っています。アルコール依存症の問題を抱えた事のある「当事者」が、治療の場面に積極的に参画できるような、新たな「免許」制度(ヘルパー/専門ドクター)を導入しても良いように思います。無菌室で育てられた医師には解らないです。この分野は、<共感力>が大事です。薬物依存症、ギャンブル依存症も、勿論同じです。

貴方の周りの「離婚」は、アルコールに関係ありますか?

一人でも多くの方の、魂が、救済される事を願ってやみません。

著者:

北畠徹也(英語:Tetsuya Kitahata 露語:Тэцуя Китахата)は、1974年生まれ。1993年東京大学教養学部理科2類入学、1999年同大学法学部私法コース卒業。北海道生まれのアントレプレナー、コラムニスト、旅人。現在:株式会社テラ・インターナショナル代表取締役。ICIT(Information, Communication and Integration Technology)コンサルタント。タイ王国バンコク都在住。

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北畠徹也(英語:Tetsuya Kitahata 露語:Тэцуя Китахата.)は、1974年生まれ。1993年東京大学教養学部理科2類入学、同大学法学部私法コース卒業。北海道生まれのアントレプレナー、コラムニスト、旅人。現在:株式会社テラ・インターナショナル代表取締役。ICTコンサルタント。タイ王国バンコク都在住。

ネットワーキングコミュニティに造詣が深く、ブログ・wiki・Mixi・Twitter・Facebook・Google+などのアーリーアダプターである。

世界中に実名の30万人以上のリーチを持つソーシャルメディア(ソーシャルネットワーク)の第一人者であり、オープンソース(Opensource)業界では、HTTP Server で有名な The Apache Software Foundation(アパッチ財団)の、個人スポンサーや、コミッタ(Committer)であったことでも有名(日本人/日本法人で初めてのスポンサー、個人では世界初)。Wikipedia, Perl, Mozilla, Python をはじめ、様々なオープンソース・オープンプラットフォームに寄付を行う慈善事業家。インターネットがより深いレベルで社会生活に浸透していけばよいと切に願っていると同時に、ネットにおけるコミュニケーション・オフライン(現実社会)におけるコミュニケーションがどう密接につながっていくのかを読み取っている。

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