YMOの「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」に収録されている「ビハインド・ザ・マスク」と言う曲はファーストアルバムがリリースされた時にはすでにライヴで披露されていたという話がある位、YMOの楽曲では定番のうちの1曲として挙げられますが、この曲を掘り下げていくと色々と面白い発見があったりします。
今回はそれについて解説したいと思います。

まずは、オリジナルバージョンを。

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この曲は作曲者の坂本龍一が今まで自分の得意としていた難解なコードでの展開ではなく、シンプルなロックのコード(F-D♭-E♭-Cm)と特徴のあるリフで展開されており、それが故に海外では評価されている楽曲ではありますが、メンバーの細野晴臣・高橋幸宏はこの曲を聴いたときに(二人ともYMO以前にロックバンドを組んでいたという事もあってか)非常に当たり前の曲だと思っていたようです。

この「ビハインド・ザ・マスク」には原曲があります

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元は坂本がセイコー・クォーツのCMのために書き下ろした曲で、すべて手弾きで演奏しているそうです。
こちらはベストアルバム「UC YMO」に収録されています。

それをマイケル・ジャクソンが目を付けたのですが…。

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この「ビハインド・ザ・マスク」、先に海外で評価されていると書きましたが、これに一番最初に目を付けたのはマイケル・ジャクソンで、後にモンスター・アルバムと言われる「スリラー」に収録する計画があったそうなのですが、ライセンス上の問題や坂本側が楽曲のチェックを求めたらマイケル側が拒否したなどの理由で収録が見送りになったそうです。
しかし、マイケルの没後に発表されたアルバム「Michael」に新たにアレンジされたバージョンで陽の目を見ることとなりました。ちなみに「Michael」のバージョンにはYMOバージョンがサンプリングされています。

ちょっと横道にそれて、変わり種の曲を紹介します。

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ゴールディー・ルッキン・チェインと言うヒップホップグループの「Your Mothers Got a P###s」(まぁ、タイトルで思い切り書かれていますが、気にしないでくださいw)と言う楽曲で「ビハインド・ザ・マスク」のリフがサンプリングされている訳ですが、よく聞いてみるとその部分がYMOバージョンのそれと違うことが気づくかと思います。
「じゃ、実際に演奏しているのか?」と言うとそうでもなく、実は次の項で紹介されているバージョンをサンプリングしているのです。

一見、没になった「スリラー」バージョンは何処へ…?

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本編に戻ります。
マイケル・ジャクソンのバージョンはリアレンジされたことにより陽の目を見ましたが、本来「スリラー」に収録されるはずだったバージョンはどこに行ったのか、気になりますよね?
これはあくまでも噂ではありますが、それを元にしたバージョンを当時マイケルのバンドでキーボードを担当していたグレッグ・フィリンゲインズが自らのソロ・アルバムの「PULSE」にて披露しています。
歌い方もマイケルを意識していて、もしや!と思ったりします。

それはさておき、彼は近年では腕利きのミュージシャンぞろいのバンド、TOTOにも参加していたりしたのですが、その間にもあるビッグネームのミュージシャンの下でキーボードを弾いています。そのことがもうひとつのビッグネームによるカバーを生み出したのです。

エリック・クラプトンの「ビハインド・ザ・マスク」

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グレッグ・フィリンゲインズがエリック・クラプトンのバンドに参加していた時代にクラプトンは「オーガスト」と言うアルバムのラスト(CDではボーナストラックが入っているのでラストではありませんが)に「ビハインド・ザ・マスク」のカバーを収録します。
こちらは原曲とはかなりかけ離れたロックバージョンでYMOバージョンと聞き比べてみるのも面白いかもしれません。
因みにこの曲のドラムとプロデュースは当時ジェネシスの中心人物だったフィル・コリンズが担当しているのも興味深いです。

そして、坂本龍一自らも…。

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そして、エリック・クラプトンのカバーを受けてか、坂本龍一もボーカルにバーナード・ファウラーを迎えてマイケルバージョンの「ビハインド・ザ・マスク」をカバーします。
こちらもロックやファンクの要素を盛り込んではいますが、根底はやはりYMOと言うか坂本龍一サウンドと言える感じではあります。

そして近年は…。

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2010年の「WORLD HAPPINESS」でのYMOのライブの模様ですが、スチールギターやユーフォニアムなどオリジナルにはなかった楽器もありますが、原点に回帰しながらも古さを感じさせない、まさにロックンロールな一曲ではないか、と思います。

最後に坂本龍一本人の解説を。

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坂本龍一が自らの音楽教養番組「スコラ」にて「ビハインド・ザ・マスク」について解説している映像がありましたので、こちらもチェックしていただけるとありがたいです。

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温田スケキヨ このユーザーの他の記事を見る

温田スケキヨと申します。
音楽・ボカロ・ゲーム系・PC/ガジェット系を中心に細々と書くつもりですが、他のジャンルにも手をだすこともあります。
まぁ、正直「つかみ所のない奴」です。

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