「集団的自衛権、賛成?反対?」

あなたはこの問いに、なんと答えますか?

正直、筆者はつい先日まで、言葉に詰まっていました。




 
なぜなら。

「集団的自衛権」をよくわかっていなかったから。

正直な話、いまいちわからなかった、「集団的自衛権」。
この一冊とめぐり逢い、氷解しました。

小川和久さんってどんな方?

1945年12月、熊本県生まれ。陸上自衛隊生徒教育隊・航空学校修了。同志社大学神学部中退。地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。外交・安全保障・危機管理(防災、テロ対策、重要インフラ防護など)の分野で政府の政策立案に関わり、国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、日本紛争予防センター理事、総務省消防庁消防審議会委員、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。小渕内閣では野中官房長官とドクター・ヘリを実現させた。電力、電話、金融など重要インフラ産業のセキュリティ(コンピュータ・ネットワーク)でもコンサルタントとして活動。
著書は『もしも日本が戦争に巻き込まれたら!』『この一冊ですべてがわかる普天間問題』『14歳からのリアル防衛論』『陸上自衛隊の素顔』『日本の戦争と平和』『日本の「戦争力」VS中国、北朝鮮』『日本の「戦争力」』『日本は「国境」を守れるか』『危機と戦うーーテロ・災害・戦争にどう立ち向かうか』ほか多数。

出典 https://sriic.org

とにかく論理的。
お話が実にわかりやすい例えで、すーっと頭に入ってきます。

小川和久さんは、日本初の軍事アナリスト。

今回手に取った『日本人が知らない集団的自衛権』では、「個別的自衛権」と「集団的自衛権」の違いや、そもそも前提となる「非武装中立」が論外である理由について、実にわかりやすく解説されています。

自衛権とは、「いじめられたら反撃することで自分を守る」権利。

そもそも、「集団的」とついているのでなんだかわかりにくくなっていますが、「自衛権」とは「ある国が、外国から不法な武力攻撃を受けたとき、自国の権益を守るために反撃し、自分で自分の国を守ること」と小川さんは定義しています。

「自衛権」を放棄する=非武装中立

つまり、他国からいじめられても、何も抵抗しない状態を「非武装中立」と言います。
現在の国際社会において、「いじめられても反撃しないよ」という立場をとれる国はそうありません。
事実、「戦争なんて反対だ」ではなく、「攻撃されたら反撃する」ことは、国際社会において認められている「自衛権」にあたります。

「個別的自衛権」と「集団的自衛権」の違い

●個別的自衛権…自国の安全を自国の軍事力によって守る権利
●集団的自衛権…自国の安全を同盟国などの軍事力を使って守る権利


「同盟関係を結び、活用する以上は、集団的自衛権と相互防衛は前提となりますが、
 あくまでも自国の防衛が最初にあってこその他国の防衛であることが、
 日本の議論では忘れられています。
 そんな国際社会の常識を一切無視して『集団的自衛権は戦争する権利だ』などと
 言っても、民主主義的な先進国ではまったく相手にされない、
 と知らなければなりません」

確かに、「集団的自衛権=戦争」のようなイメージが…

※そしてここからが小川さんの著書の凄いなぁと思うところなのですが、この「個別的自衛権」と「集団的自衛権」の違いを、6年1組と6年2組のケンカに例えてさらにわかりやすく解説しています。
ぜひ、本書を手に取って図解とともに読んでみて下さい。

クラスで結束し、隣のクラスの誰かからクラスメイトがいじめられたとき、発動するのが「集団的自衛権」。

この「クラス」にあたるものが、
「第二次世界大戦後の世界で主流となった安全保障体制のカギとなる考え方」
と小川さんは説きます。
同盟関係などが、これにあたります。
もちろん、同じクラス内でケンカをしないことが大前提です。

日本とアメリカの安全保障体制がないと…

現在、日本と安全保障条約を結んでいる同盟国・アメリカの関係は、まさに「同じクラス」であることと同じ意味合いを持ちます。
この安全保障体制がない場合、日本はどうなるのでしょうか。

①個別的自衛権を持たなければならない

アメリカに頼らず、時にアメリカをも敵に回す可能性のある状態。
すべての自衛にかかる武力を自国で賄い、経済制裁を含めた外敵に対し一国で闘う状態です。
これが、「個別的自衛権」です。

②個別的自衛権にかかる費用は、今の何倍?

現在の日本の防衛費は、約4兆8000億円と言われています。
これに対し、日米同盟を解き、自国ですべての軍備を行うと、約23兆円が必要と言われています。
──「コストを試算!日米同盟解体──国を守るのに、いくらかかるのか」(毎日新聞社)より

つまり、日米同盟はコストパフォーマンスの良い防衛体制。

でも、アメリカが戦争になったら、日本も戦争に突入するんじゃないの?

この問いに対し、「アメリカと日本の同盟関係は極めて双務的」と表現する小川さんは、こう続けます。

「第二次世界大戦で唯一最後まで抵抗した日本を恐れ、旧帝国陸海軍の復活を懸念するアメリカが、日本に“自立できない構造の自衛隊という軍事力”を求め、日本も戦前の反省を踏まえて要求に応えた」結果が、憲法第九条である。

今の日本の自衛隊の規模では、自国で戦争などとてもできない。

日本は一国で賄える武力を保持しない代わりに、自国の領土を米軍基地として提供しています。
しかも、この基地は「占領されている」という見方ではなく、「アメリカにとって必要不可欠な場所を提供してあげている」という見方になっているところが斬新です。
 
実際、沖縄の基地問題などは今も日々論争が繰り広げられていますし、住民にも様々な想いがあるので、「そうか!米軍基地万歳!」と手放しで言えない側面もあるのですが、決して日本はアメリカに従属しているのではなく、実に双務的な関係の中で、武力その他を米軍に頼りながら、少ない国家予算で自国の自衛権を行使していると言える状態にある、という見解に思わず唸ってしまいました。

この本では、さらに安全保障の考え方について、マスコミ世論の捉え方について解説されています。
国防をめぐる素朴な疑問が氷解する一冊。

集団的自衛権とは。
安全保障とは。

きちんと理解して、自分なりの意見が言えるようになれたとき、現在の政治ニュースの見え方が少し変わるかもしれません。

政治や国防を政治家任せにせず、自分で理解し考えようとする、そのきっかけとして読んでみてはいかがでしょうか。

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紙媒体の企画・営業・編集を卒業後、企業広報を経て、フリーランスのPRプランナー&ディレクターをしています。 (ハイパーメディアフリーターとも言う) 齢36。 エディトリアルディレクションが大好物ですが最近はブランディングが多め。

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