ストーカー対策の切り札 条件反射制御法

2014年12月7日放送のNNNドキュメント「迷路の出口を探してⅡ ストーカー 最新治療70日間」で、「条件反射制御法」について知りました。
ある女性が、先生に対してストーカー行為を繰り返してしまうことに対しての治療として、「条件反射制御法」を試してみた内容でした。

「条件反射制御法」とは、下総精神医療センターの平井愼二医師が開発した、薬物、ギャンブル、アルコールなどの依存症を治療する方法です。

出典 http://writerzlab.com

下総精神医療センター

平井医師は、何百人もの薬物・アルコール依存症の患者を治療してきました。

人間の脳には、2つの中枢、第一信号系と第二信号系があります。
第一信号系は、無意識的な反射で行動を進めます。たとえば、梅干しを食べなれた人は、梅干しを見ただけで唾が出ます。
それに対して、第二信号系は、意識的な思考で行動を選択して進めます。「高血圧だから、梅干しは食べない」というものです。
覚せい剤乱用者の場合、過去の反復により覚せい剤乱用を進める反射連鎖ができていて、刺激を受けるとそれが働き始めます。それを、第二信号系が止めようとします。
しかし、覚せい剤の乱用によって、第一信号系の反射連鎖は強くなっているので、第二信号系は負けてしまい、「わかっているけどやめられない」のです。

条件反射制御法は、病院のほか、薬物乱用者のリハビリ施設でも使われていて、効果をあげています。(疑似注射器を使って、疑似血液の逆流を目で確認します)
条件反射制御法の基本は、第一信号系に働きかけて、無意識的に生じていた神経活動が生まれないようにすることです。

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ストーカー症の治療について

入院2日目、治療が始まりました。
治療の段階は4つ
① 負の刺激
② 疑似
③ 想像
④ 維持
10週間もかかる過酷なものです。

第1ステージ「負の刺激」の言葉と動作

「私は今」:胸に手のひらを当てる
「先生に」:指をさす
「会えない 連絡できない」:親指を外にして拳
「大丈夫」:親指を内に入れる

好きな人に会えない、連絡できない時間が始まる合図を訓練しました。
これは、刺激によって起こる行動の連鎖を、「負の刺激」というくさびで断ち切る方法です。このとき、負の刺激となるのが、「おまじない」と呼ばれるジェスチャーと言葉を、1日20回以上、ひたすら繰り返すことで、脳に覚えこませていきます。1日の最後には、自分の感じたことを書きます。

入院して37日目、治療は第2ステージを迎えていました。
「疑似ステージ」:実際にやっていた行動を、何の見返りもないとわかっていながら繰り返し、反射の連鎖を弱まらせていきます。
届くはずのないメール、見返りのない空振りを、何百回と繰り返すことで、メールをしたいという欲求を弱めていきます。メールの疑似が200回超えないと、次のステージに進めません。

入院42日目、第3ステージ「想像」は、今まで自分がストーカー行為をやってきたときの、ある日の行動を詳細に思い出すことから始まります。あえて、ストーカー行為の実際の行動を思い出す、この反復により、ストーカー行為を促進しない第一信号系に変えます。行動のプロセスは、できるだけ忠実に再現する、メールをする反射連鎖を受け持つ神経は興奮しますが、結果として、生理的報酬は得られないので、その神経活動が弱まっていく効果を狙います。

入院62日目、「想像」の回数は、目標の200回を超えました。この頃には、メールに「特にご用はないです」と入力しました。平井医師によれば、「想像しても、刺激としての効果を失い、反応しなくなった」のだそうです。治療が効いてきたのです。
この女性は、ずっと「先生」と呼んでいた相手を、「その人」と呼ぶようになっていました。

入院70日目、退院の日がやってきました。
彼女は、「今は治っていると思うが、この状態を維持していかないといけない」と話していました。
第4ステージの「維持」療法を、これから毎日やっていかなければなりません。
病院でやっていたことを、実生活の中でやっていくことになります。
退院後は、病院の近くで一人暮らしを始めました。

「ストーカー殺人」が後を絶たない昨今、治療法として浸透していくことを願っています。

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